家の中から世界へ!親子で始めるSDGs「賢い電気の使い方」実践ガイド
はじめに:家庭の電気から、未来を変える一歩を
日々の生活の中で、私たちは当たり前のように電気を使っています。明かりをつけ、食事を作り、快適な室温を保ち、情報にアクセスする。しかし、この身近な電気の使い方が、地球の未来、そして世界の子どもたちの未来に大きく関わっていることをご存知でしょうか。
「SDGsおうち探検隊」では、忙しい中でも「家庭でできるSDGs実践」と「国際理解を深める情報」をお届けしています。今回のテーマは「賢い電気の使い方」です。親子で一緒に、家庭の電気を見つめ直し、SDGs達成への具体的な一歩を踏み出すヒントをご紹介いたします。
SDGsとは何か:電気と私たちの暮らしのつながり
SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに達成を目指す、世界共通の17の目標です。その中には、私たちの電気の使い方と深く関わる目標がいくつかあります。
特に重要なのが、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と目標13「気候変動に具体的な対策を」です。
-
目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに 世界には、いまだに電気を使えない人々が大勢います。また、多くの電気は石炭や石油などの化石燃料を燃やすことで作られており、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出しています。この目標は、すべての人々が安価で信頼できる、持続可能な近代的エネルギーを利用できるようにすることを目指しています。
-
目標13:気候変動に具体的な対策を 温室効果ガスの排出が増えることで、地球の気温は上昇し、異常気象や自然災害が頻発しています。この目標は、気候変動とその影響と闘うために、緊急の行動を取ることを求めています。
家庭で電気を大切に使うことは、化石燃料への依存を減らし、クリーンなエネルギーへの移行を後押しすることにつながります。これは、地球温暖化の進行を抑え、持続可能な社会を築くための大切な行動なのです。
家庭でできる「賢い電気の使い方」実践アイデア
お子さんと一緒に、楽しみながら実践できる「賢い電気の使い方」アイデアをいくつかご紹介します。忙しい日々の合間にも、無理なく取り入れられるものばかりです。
1. 「電気を使わない時間」を見つけようゲーム
- 目的: 日常生活の中で無意識に使っている電気を意識し、電気を使わない快適さを見つける。
- 準備物: なし
- 所要時間: 5分〜15分程度
- 実践方法:
- 家族みんなで「電気を使わない時間」を決めます。例えば「夕食後30分間はテレビを消して家族でお話タイム」「お風呂から上がったらリビングの明かりを少しだけ暗くして読書タイム」などです。
- その時間は、電気を使わずに、普段なかなかできない会話を楽しんだり、絵本を読んだり、アナログゲームで遊んだりしてみましょう。
- どれくらいの電気が節約できたか、また、その時間をどう感じたかを話し合います。「電気を使わなくても意外と楽しいね」「静かな時間が心地よかった」といった気づきが得られるかもしれません。
2. 家電のお休みマークを見つけよう探検隊
- 目的: 使っていない家電の待機電力に気づき、電源オフやコンセントを抜く習慣を身につける。
- 準備物: 付箋やメモ、ペン
- 所要時間: 10分〜20分程度
- 実践方法:
- お子さんと一緒に、家の中を「探検」します。テレビ、DVDプレーヤー、ゲーム機、充電器など、使っていないのに電源ランプがついている家電や、コンセントに差しっぱなしになっている家電を探します。
- 見つけたら、その家電に「お休みマーク(付箋に顔を描いたり、マークを描いたり)」を貼ります。
- 「使っていない時はコンセントを抜いてあげようね」「この家電は眠っている間も少し電気を使っているんだよ」と説明し、家族で協力してコンセントを抜く、または主電源を切る習慣をつけます。
3. 「明るさチェック」で電気のムダをなくそう
- 目的: 必要以上に電気を使わないように、適切な明るさや点灯を意識する。
- 準備物: なし
- 所要時間: 5分〜10分程度
- 実践方法:
- リビングや子ども部屋など、普段過ごす部屋で「本当にこの明るさが必要かな」と問いかけます。
- 晴れた日中は窓からの自然光を最大限に活用し、照明を消してみます。
- 夜になったら、必要な場所だけを照らす「局部照明」の活用や、部屋全体を明るくしすぎない工夫を話し合います。「この電気は本当に必要かな?」とお子さんと一緒に考え、こまめな消灯を心がけます。
国際理解を深めるヒント:世界の電気事情を知る
家庭での実践だけでなく、世界の電気事情について学ぶことは、SDGsと国際社会のつながりを理解するために非常に重要です。
1. 世界の電気がない暮らしを想像してみよう
世界には、電気を使えない、あるいは十分に使えない人々がまだ多く暮らしています。電気がないと、夜は暗く、勉強も仕事も難しくなります。冷蔵庫が使えず、食べ物を保存するのも大変です。
- 会話のヒント:
- 「もし今日、家から電気がなくなったら、どんなことが困るかな?」
- 「世界には、毎日電気がない暮らしをしている人がたくさんいるんだよ」
- 「どうしたら、みんなが電気を使えるようになると思う?」
- 絵本やドキュメンタリー動画で、電気のない地域の子どもたちの生活を紹介しているものもあります。親子で一緒に見て、感想を話し合ってみるのも良いでしょう。
2. クリーンエネルギーってどんなもの?
太陽光発電や風力発電など、地球に優しい「クリーンエネルギー」について学んでみましょう。
- 身近な例から: ソーラーパネルがついたおもちゃや電卓、公園にあるソーラーライトなどを見つけて、「これは太陽の力で動いているんだよ」と説明します。
- 絵本や図鑑: クリーンエネルギーについて分かりやすく解説している絵本や図鑑を一緒に読んでみるのもおすすめです。
- 世界地図で考える: 世界地図を見ながら、「この国は太陽の光がたくさん降り注ぐから、太陽光発電に向いているね」「この国は風が強いから、風力発電が盛んなんだね」といった話をしてみると、地理とエネルギー問題が結びつき、国際的な視野が広がります。
まとめ:小さな一歩が、大きな変化に
SDGsの実践は、特別なことばかりではありません。日々の暮らしの中で、少しだけ意識を変え、行動を変えることから始まります。特に「賢い電気の使い方」は、家庭で手軽に始められ、電気代の節約にもつながる、一石二鳥の行動です。
完璧を目指す必要はありません。今日から一つ、お子さんと一緒に「電気との向き合い方」について考えてみませんか。その小さな一歩が、持続可能な未来への大きな変化を生み出すと信じています。親子で楽しみながら、SDGsの精神を育んでいきましょう。