捨てずに活かす!親子で学ぶSDGs家庭で始める資源循環
はじめに:家庭から始める資源循環の旅
日々の生活の中で、私たちは多くのモノを使い、そして捨てています。しかし、その「捨てる」という行為の先に、地球の未来や遠い国の暮らしとつながる大切な意味があることをご存存知でしょうか。
「SDGsおうち探検隊」では、親子で家庭からSDGs(持続可能な開発目標)を実践し、国際理解を深めるための具体的なアイデアを提案しています。今回は、特に「資源循環」に焦点を当て、忙しい中でも手軽に始められ、子どもたちが楽しみながら学べる実践的な取り組みをご紹介いたします。
SDGsと「資源循環」の関係性
SDGsには17の目標がありますが、今回取り上げる「資源循環」は、特に目標12「つくる責任 つかう責任」と深く関連しています。この目標は、限りある地球の資源を大切にし、持続可能な生産と消費のパターンを確立することを目指しています。
私たちが日々の生活で実践するごみの分別、リサイクル、そしてモノを大切に長く使うことは、資源の無駄遣いを減らし、新たなごみを生み出さないための大切な一歩となります。これは、地球の生態系を守り、将来世代も豊かに暮らせる社会を築くために不可欠な考え方です。
親子で実践!家庭でできる資源循環アイデア
ご家庭で簡単に始められる資源循環のアイデアをいくつかご紹介します。お子様と一緒に、楽しみながら取り組んでみてください。
1. ごみ分別を「探偵ゲーム」に!
ごみ分別は資源循環の第一歩です。どこに、何が分類されるのかをゲーム形式で学ぶと、子どもたちは好奇心を持って取り組めます。
- 実践例:
- 分別ビンゴ: ごみの種類(ペットボトル、紙、プラスチックなど)を書いたビンゴカードを用意し、家で出たごみを正しく分別できたらマスを埋めていきます。
- ごみ分別クイズ: 出てきたごみを見せて、「これは何ごみかな?」とクイズ形式で問いかけます。正しい分別方法を親子で確認し、そのごみがどのようにリサイクルされるのかを簡単に説明してみましょう。
- 準備物: ビンゴカード、マーカー、ごみ箱(分別用)、ごみ図鑑(あれば)
- 所要時間: 1日5~10分程度(ごみが出るたびに)
2. 「もったいない」を形に!廃材・不用品アップサイクル
捨ててしまうはずだった廃材や不用品を、新たな価値を持つものへと生まれ変わらせる「アップサイクル」は、子どもの創造性を育みながら資源を大切にする心を育みます。
- 実践例:
- お菓子の箱で工作: 空き箱やトイレットペーパーの芯、牛乳パックなどは、宝箱、おもちゃのロボット、ペン立てなど、様々なものに生まれ変わります。色を塗ったり、飾り付けをしたりして、世界に一つだけの作品を作りましょう。
- 古着を布製品に: 着られなくなったTシャツやタオルは、布巾や雑巾、エコバッグの材料などとして再利用できます。簡単な縫い物であれば、お子様も一緒に挑戦できます。
- 準備物: 段ボール、お菓子の空き箱、トイレットペーパーの芯、牛乳パック、古着、ハサミ、のり、絵の具、クレヨンなど
- 所要時間: 1回30分~1時間程度
3. モノを大切に、長く使う工夫
「捨てる」を減らすためには、今持っているモノを大切に使い続けることも重要です。
- 実践例:
- 修理してみよう: 壊れてしまったおもちゃや家電をすぐに捨てるのではなく、「修理できないかな?」と考えてみましょう。簡単なものであれば、一緒に修理に挑戦したり、修理店を探したりすることも立派な学習です。
- お手入れ習慣: 洋服や靴、道具などを定期的に手入れすることで、より長く使うことができます。親子で一緒にお気に入りのアイテムのお手入れを習慣にしてみましょう。
- 準備物: 修理道具(ドライバーなど)、お手入れ用品(ブラシ、クリーナーなど)
- 所要時間: 必要に応じて
4. お出かけ時のエコアクション
家庭の外でも、資源循環を意識した行動は可能です。
- 実践例:
- マイバッグ・マイボトル持参: お買い物にはエコバッグを、外出時にはマイボトルを持っていく習慣をつけましょう。なぜそうするのかを子どもに説明し、一緒に実践することが大切です。
- シェアリングエコノミー: 使わなくなった子ども服やおもちゃをフリマアプリで売ったり、友人や親戚に譲ったりするのも良い方法です。必要な人に譲ることで、モノの寿命を延ばし、資源を有効活用できます。
- 準備物: エコバッグ、マイボトル
- 所要時間: 日常生活の中で
国際理解を深めるヒント:世界の資源循環
SDGsの活動は、世界中の人々とつながっています。ご家庭での取り組みを通じて、世界の資源循環事情にも目を向けてみましょう。
- 世界の「もったいない」文化: 日本には「もったいない」という言葉がありますが、世界にも似たような考え方があります。例えば、ヨーロッパの「修理カフェ」の文化や、発展途上国での資源を大切に使う知恵などを図鑑や絵本で調べてみるのはいかがでしょうか。
- リサイクル製品の旅: リサイクルされたプラスチックや紙が、どこでどのような製品に生まれ変わっているのかを調べてみましょう。もしかしたら、遠い国で新たな製品として使われているかもしれません。
- ごみ問題と世界のつながり: 私たちが分別せずに出したごみが、遠い海のプラスチックごみ問題につながっている事実など、世界の環境問題との関連性を考えるきっかけを与えてみてください。
今日から始める、無理のない一歩
資源循環の取り組みは、決して特別なことではありません。日々の暮らしの中で、少しだけ意識を変えることから始められます。完璧を目指す必要はありません。ご家庭のペースで、できることから少しずつ、楽しみながら続けていくことが大切です。
子どもたちは、親の姿を見て学びます。ぜひ、親子で一緒に「捨てずに活かす」工夫を楽しみながら実践し、持続可能な社会づくりへの小さな貢献を積み重ねていきましょう。
まとめ
SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」は、家庭での資源循環を通じて、私たち一人ひとりが地球の未来に貢献できることを示しています。ごみ分別、廃材活用、モノを大切に使う工夫、そして国際的な視点を持つこと。これらを通じて、子どもたちは持続可能な社会を生きる力を育むことができるでしょう。
「SDGsおうち探検隊」は、これからも皆さんの家庭でのSDGs実践を応援してまいります。